お茶のこと
お茶の種類
茶葉を摘み取った後の処理方法が違うだけで緑茶・烏龍茶・紅茶の原料は同じです。
原料となる樹は、ツバキ科ツバキ属の永年性常緑樹でカメリア・シネンシスといいます。
お茶の生葉は酵素を含んでおり、その酵素を加熱してすぐに止めた不発酵茶が「緑茶」、少し働かせた半発酵茶が「烏龍茶」、最大限に働かせた発酵茶が「紅茶」です。
また、「緑茶」には生葉の酵素の止め方や止めた後の加工の違い、茶葉の育て方の違いによって様々な種類(煎茶、深蒸し煎茶、玉露、かぶせ茶、ほうじ茶、抹茶など)があります。
お茶の味
お茶の味は苦味、渋味、うま味、甘味の4つの総合的なバランスによって決まってきます。
≪お茶の主な成分と味要素≫
グルタミン酸…うま味
アミノ酸類…うま味、甘味
カテキン類…苦味、渋味
カフェイン…さっぱりとした軽い苦味
≪味ポイント≫
普通煎茶…渋味とうま味のバランスがよく、さっぱりとした後味があるものが良いとされています。
玉露…こく深い甘味、そして被覆栽培による覆い香(海苔のような芳香さ)が良いとされています。
抹茶…上品な苦味の中に感じるまろやかで優しい甘味が良いとされています。
お茶の産地
お茶の樹は基本的に温暖で湿潤な地域で良く育ち、年間平均気温14~16℃、年間降水量1300ミリ以上が条件です。
代表的なお茶の産地(銘茶)として「埼玉県(狭山茶)」「静岡県(本山茶や掛川茶)」「京都府(宇治茶)」「鹿児島県(知覧茶)」などがあります。
同じ種類のお茶でも産地によって風味は異なります。
なお、商品名に製造した都道府県名や市町村名が付く場合、その当地の荒茶を100%使っているお茶です。
お茶の品種
最も人気の品種は「やぶきた」で、全国の茶園面積の7割以上で栽培されています。
それ以外にも「ゆたかみどり」「さみどり」「あさつゆ」など沢山の品種があり、それぞれ香りや苦味、渋味、甘味、うま味など個性があります。
お茶のほとんどはブレンドされたものですが、単一品種(シングルオリジン)のお茶も増えてきたため味や香りの違いを楽しむのもおすすめです。
お茶の価格と品質
お茶は価格と品質が比例します。
産地や品種によってそれぞれ風味(甘味、うま味、苦味、渋味、香ばしさ)や水色(鮮やかなど)が違います。
また、それ以外にも栽培方法や摘採方法、摘採時期、製造方法など様々な違いによりお茶の販売価格に差があります。
お茶の歴史
鎌倉時代、臨済宗開祖の栄西禅師が中国にわたり臨済禅を学び茶の種子を持ち帰ったのが日本の茶栽培の始まりと言われています。
栄西禅師が華厳宗の僧である明恵上人に渡した茶の種子は京都栂尾山高山寺で育てられ、のちに「天下一の茶」と呼ばれる栂尾茶に発展しました。
京都以外でも、伊賀・伊勢・駿河・武蔵地域のお寺が茶園をつくり茶栽培するようになります。
1738年、永谷宗円が新たな製茶法(現在の煎茶の基礎となる製法)を考案、山本嘉兵衛が玉露の製茶法を考案し全国に広まっていきました。
その後、高林謙三らによる製茶の機械化が急速に進み、茶業が安定しました。
お茶の保存方法
お茶は湿気や高温・光・酸素に弱く変質しやすいため、開封後は密閉した容器に入れ冷蔵庫など涼しいところに保存し新鮮なうちに飲み切ることが大切です。
お茶に合う水
硬度30~80㎎/L程度の軟水がお茶に適しているといわれており、日本の水道水はこの条件に当てはまっています。
お茶を飲む際は、水を沸騰させてさらに2~3分沸かし続けると塩素臭が抜けやすくなりふさわしいお湯になります。