抹茶のこと
抹茶の栽培
お茶の樹は春になり暖かい日が続くと、長い休眠状態から醒めて生長が活発になり新芽をつけます。
その約2週間後、新葉が開き始めたころに覆いをかけます。
覆いにより日光を遮ることで、葉が含むうま味成分のアミノ酸(テアニン)が渋味や苦味成分のカテキンに変わるのを防ぎまろやかな味になります。
最初に遮光率70~80%の覆いをかけ、約1週間後に遮光率95~98%に引き上げ、被覆開始から20日程度経つと摘採します。
これを「一番茶」といい、茶園によってはその後二番茶、三番茶…と何回か摘むこともあります。
その後、翌年の収穫に向けて整枝をします。
抹茶の生産量と産地
抹茶の原料である碾茶の生産量は3660トンです。(2018年)
これは荒茶の数量のため、茎や葉脈などをはずして石臼で挽いた抹茶は約2800トンになります。
碾茶は主に、京都府・愛知県・静岡県・鹿児島県で生産されています。
抹茶の製造工程
抹茶は碾茶を石臼で挽き、粉末状にしたものです。
製造工程に揉む工程が一切ないことが特徴です。
1.蒸熱
ふるい分けされた生葉を大量の蒸気で約10~20秒蒸します。
2.冷却散茶
生葉を5メートル以上の高さまで吹き上げては落とすのを繰り返します。
茶葉を冷やしながら葉表面の水分を飛ばし、くっついていた葉を一枚一枚バラバラにします。
3.荒乾燥・本乾燥
内部がベルトコンベアー式になった碾茶炉という乾燥炉で、茶葉を乾燥させます。
4.選別・整形
乾燥した茶葉を裁断しながら、茶葉と茎や葉脈などを選別し整形します。
5.煉り乾燥
適切な温度で乾燥させます。
6.石臼で挽く
一定期間熟成させたものを石臼で挽きます。
一定の速さで挽くと石臼から適度な摩擦熱が茶に伝わり、抹茶の風味が引き出されます。
抹茶の栄養成分
お茶には下記のように多くの栄養成分が含まれています。
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、鉄、カルシウム、カテキン、カリウム、食物繊維、葉酸、βカロテン
栄養成分は種類が多いだけではなく、量も多く入っています。
たとえば、抹茶大さじ1杯にはピーマン8個分のβカロテンが入っています。
緑茶の葉っぱも栄養価は高いですが、水溶性の成分が溶け出してしまいます。
それに比べて抹茶は、まるごと食べることができるため栄養価がより高いのです。
抹茶の成分別健康効果
1.カテキン類
お茶の苦味渋味成分である【カテキン】はポリフェノールの一種です。
・抗酸化、抗ウイルス、抗がん作用
・血中コレステロール上昇抑制
・殺菌抗菌作用
・虫歯口臭予防
・肥満予防(ダイエット効果)
など様々な作用・効果があります。
2.ミネラル類(亜鉛)
人が味を感知するときに使われるのが【亜鉛】です。
亜鉛が不足すると味蕾の機能が低下して味覚障害を引き起こします。
亜鉛は体内でつくることができない成分のため食事などから摂取する必要があり、抹茶には100gあたり6.3mg含まれています。
3.テアニン
お茶の甘味うま味成分である【テアニン】はお茶特有のアミノ酸です。
テアニンを摂取すると、リラックス状態にある時にでる脳派α波が増加することがわかっています。
リラックス状態になると全身の筋肉の緊張がほぐれ欠陥が拡張して血行が良くなります。
4.サポニン
茶葉に含まれる【サポニン】は抗菌・抗ウイルス効果が大きく、カテキンの殺菌作用とともに風邪予防効果が期待されます。
抹茶の点て方
茶筅があれば他は身近にあるものを使って抹茶を楽しむことができます。
※茶筅がない場合は当社オリジナル商品【ふるっ茶】をおすすめします。
≪材料(一杯分)≫
抹茶 ティースプーン2杯(約2g)
お湯 70㏄※75~80℃程度
≪道具≫
茶碗(マグカップカフェオレボウルでも可)
茶筅
ティースプーン(茶杓)
茶こし
≪手順≫
事前準備
1.茶こしで抹茶を濾します。
2.茶碗に茶筅を置き、湯に浸して茶筅の穂先を柔らかくします。
3.茶碗の水分を拭き取ります。
点て方
1.茶碗に抹茶を入れます。
2.茶碗にお湯を注ぎます。
3.茶碗を支えながら、表面に浮いた粉がなくなるように茶筅で全体を軽く混ぜます。
4.茶筅を素早く縦に振りながら左右に移動させて泡立てます。
5.きめ細かい泡が全体に立ったら、茶碗の中央から茶筅を真上に静かに引き上げます。
抹茶の楽しみ方
水・お湯・牛乳・豆乳・ヨーグルトなど、お好みの割り方や濃さで色々な抹茶ドリンクが作れます。
また、抹茶を使った料理やお菓子もおすすめです。
ライフスタイルや気分に合わせて抹茶の摂り方を変えるのも楽しみの一つです。
≪シーン別抹茶の楽しみ方≫
朝食に抹茶ラテ
仕事の合間に抹茶クッキー
おうち時間で抹茶パスタ
スポーツ中に抹茶プロテイン
散歩休憩にスイート抹茶